2017年01月15日 09:00

【レズ?】オカマなのに女が好きな俺が恋をした結果…(体験談)

読了時間:約 23

私の名前はユウ
タイトルの通り私は男性として生まれながら精神的には女性です。
精神的には女性でありながら恋愛や性愛の対象となるのは女性という若干ややこしい同性愛者です。

親や友人達には内緒で女として夜の街で働いています。
お客さんも皆私の事を正真正銘女だと思い込んでいます。
私が本当は男である事は店のママと一部の従業員の女の子しか知りません


整形やその他の手術やホルモン注射はしていません
親や大学の友人達にばれますからね

私がこういう自分に気がついたのは随分後になってからでした
大学に進学して東京で一人暮らしを始めて大学で知り合った女友達の何気ない一言がきっかけでした。

友人にしたら微妙に感じた程度の違和感を軽く言った程度のことだったと思います。
しかしその時その一言で自分の中にあったモヤモヤしたものがスッと消え去って視界がクリアになっていくのを感じました。

高校時代からずっと私は彼女を作っては別れることを繰り返していました。
別れても次ぎの彼女自体は直ぐに出来るのですが
「こんな人だと思わなかった」とか「イメージが違った」
とか言われてふられたりorふったりする事が続いていました。

例えば具体的に何が違うのかというと当時の私はあまりSEXが好きではありませんでした。
キスしたり抱き合ったりイチャイチャしたりする方が好きでそれだけで満足してしまいます。

ですから自分からも余り積極的に求めたりしません
精神的に愛し愛されているという実感さえあれば肉体関係はあまり必要としません

全くしたくないわけじゃないのですが純粋な男性と比べると回数は極端に少ないと思います。
そのことで相手が不安に感じたり浮気を疑われたりする事もありました。

また彼女に限らず女性の友達が多くて気がつくといつの間にかガールズトークに参加していることも多かったです。

普通ならそれで私が精神的に女である事がばれる所ですが、実際に私が付き合っているのは女性ですから、男連中や周りも僕が単に女好きなナンパ野郎だと思っていたと思います。
それがまた浮気の疑いに拍車をかけました。

話し方も自分を男だと思っていた期間が長いのでオネエ言葉には成りませんし、日頃の仕草も男と変わりませんでした。

と言うわけでその時まで私は自分を男として女が好きな普通の男だと思い込んでいました。
しかしその友人の何気ない一言がきっかけで、実は自分が精神的には女なのではないかという考えに到ったのです。

ネットで調べてそういう人も稀に存在する事もその時知りました。
そういう考えに到ると自分でも思い当たる事がドンドンでてきたのです。

そして私は私の人生にもう一人の存在ユウを作り出しました。
というより元々精神的には私の心の中に居た女の部分を表に出す事にしたというべきでしょう

しかし大学の友人や家族知人に
「実は俺女なんだよね、その上で女が好きなビアンなんだ」
なんて言えるはずもなく

私は休日にコッソリ化粧したり女物の服をきて女装するようになっていました。
お洒落は男だと思っていた頃から嫌いでは有りませんでしたが、女の姿になった自分を見て私は涙を流すくらい感動しました。

まるでずっと生き別れになった双子の兄妹に会ったような気持ちでした。
髭も全く生えない人だったので毛を抜いたりは殆ど必用ありませんでした。

元々細身で長髪だったので化粧すると宝塚の男役の女優さんみたいな顔になります。
それで女物の服を着ていればまず男だとばれる事はありません

街中で大学の友人達とすれ違ってもばれなかったし、大学で顔見知りに知らずにナンパされた事も有りました(そっこう逃げましたけど)

私と言う人間を理解して貰うために前置きが随分長くなりましたが、そんな私が女として始めて付き合ったのが同じ大学の後輩のエミでした。

大学の休み、私はいつもの様に自宅で女装すると街でショッピングしたりして一人でブラブラしていました。
一通り見るものも終わり午後から映画でも見て帰るかと赤信号を待っていると
「君○○大学なんだ」と私が通う大学の名前が背後の男の会話から聞こえてきました。

自分の大学の名前が聞こえたので何となく振り返ると、小柄で可愛い女の子が数人の男に囲まれてナンパされているようでした。

「・・・ねぇ良いじゃん・・・・だろ」
「いえ・・でも・・困ります・・」

車や人ごみの雑踏ではっきりと聞き取れませんが女の子は困っているようでした。
しかも男達は明らかにガラが悪そうです。
女の子は恐怖で表情が引きつっていました。

「もう!ヨウコこんな所で何してるの!いくよ!」
私は適当に名前をでっち上げて女の子の手を引きます。
「えっ・・あの・・?」
女の子は眼を白黒させて突然の私の乱入に混乱していました。

「えっこの子のお姉さん?美人ですねぇ一緒に遊びませんか?」
私までナンパしようとする男達を無視して女の子に眼で調子を合わせるように合図します。

「良いから早く行くよ!ほらあっちでお父さん待っているんだから」
私が交差点のむこうで立ってる厳つそうな叔父さんを適当に指差して言うと、男達は急に驚いて退散していきました。

「あの・・ありがとうございました」
小柄で眼が大きくてロングヘアーのゆったりとウエーブはまるで何処かの姫様の様でした
なんというか「バッチシ世の好みじゃのう~」というべきでしょうか
思わず見とれて無言になっていました。

「あの?どうしました?」
「・・あっ!え・・ああ、同じ大学の子が絡まれてたから助けただけだよ気にしないで」
「ああいう連中にはバシッと言うか無視しないとずっと付きまとわれるよ」
私はそこまで喋った後(しまった!)と思いました

「えっ同じ大学の方ですか?」
女の子の表情が明るくなります。
「ええ・・そうよ・・」(この姿では通ってないけどね・・)

「上級生の方ですよね、何学部の方ですか?」
(やばいなぁ・・案の定質問モードだ)
「その前に貴方の名前はなんていうの?」
私は誤魔化そうと必死になります。

「あっ・・私・・すみません、私は○学部1年の丸井エミといいます。」
エミちゃんは頭をペコっとさげてフワフワとしたおっとりした口調で喋ります
そんな仕草も私の好みにどストライクでした。

「エミちゃんって言うのね、私は2年のユウって言うのよろしくね」
「そうなんですかぁ」
握手しながら尊敬の眼差しで見上げてくるエミちゃん
どうやら私の学部や姓については既に気にしてない様子でした。
(よかった・・天然だわこの子)

「じゃあ、そういう事で私はもう行くから、エミちゃん気をつけてね」
(とりあえず学部と名前は解ったし知り合うのは男の時で良いか)
と余計な事を質問される前にその場はさっさと退散することにしました。

「あの!ユウコ先輩!」
足早に立ち去ろうとする私の服を掴んでエミちゃんが引き止めます。
「ど、どうしたの?」
「あの・・実は・・」

「道に迷った?」
「はい・・」

話を聞くとエミちゃんは休日一人で街に買い物に出てきたは良いが帰り道に迷ったらしく、フラフラしている所をナンパ男達に捕まったという事を話してくれました

「○○へ帰るにはどういけば良いんでしょうか?」
住所を聞くと私のアパートがある駅の一つ前の駅でした。
「○○なら帰り道だから連れて行ってあげられるけど・・」
「本当ですか!?」
(あっしまった・・今は不味いんだった・・)

ツイツイ男の時の癖で親切心から素直に言葉が出てしまい焦ります。
何時もの自分なら素直に家まで送り届けて知り合いに成っているところですが今は不味いのです。

「あ、いや、あでも私これから見たい映画あるのよ」
「大丈夫です!せっかくお知り合いになったんですから私も映画ご一緒します!」
(そーくるか・・)
「え・・いいの?」
「はい!なんならお礼に映画おごらせてください!」
「いや、そこまでしてくれなくて良いけど・・じゃあ行こうか・・」

そ言う感じで私とエミちゃんは急遽一緒に映画を見る事になりました。
私としては女の姿で始めての女の子とのデートです

街に慣れなくて人ごみの中
人にぶつかって危なっかしいエミちゃんの手を引いて歩きながらお姉さんぶって保護者面していましたが、好みの女の子と女の姿で手を繋いでいる状況に内心はドキドキしていました。

「これを見るんですか・・・」
エミちゃんが上映予定のポスターをみて明らかに不安そうな顔になります。
「もしかしてホラー苦手なの?」
「あの・・いえ・・大丈夫です・・」

明らかに不安げなエミちゃんの表情にさらにポイントアップな私
料金を払って中に入り座席につくと既にエミちゃんは何処となく緊張し始めていました。

映画が始まるとエミちゃんは私の手を常にギュッと握っていて、もっとも怖いクライマックスでは私に抱きついてきました。
私の方も違った意味でドキドキしてしまい結局2人共ろくに映画は見ていませんでした。

「怖かったですねぇ・・」
帰りの電車でもエミちゃんはドキドキが収まらないのか胸に手をあてて話します。
「そんなに苦手なら別の映画でも良かったのに」
そんな仕草も可愛いくて私は見とれていました。

「いえ!そこまで気を使っていただいたら悪いですから!」
結構いい御家のお嬢様なのかなと感じる世間スレていない真面目さがたまりません。

その時丁度電車のアナウンスが流れてエミちゃんが降りる駅が近づいてきました。
「もう直ぐエミちゃんの駅だよ」
少し名残惜しい気もしましたがこの辺りが潮時だと思っていました。

「はい!今日は本当にありがとうございました!」
ぺこっとお辞儀するエミちゃん
「あの良かったら携帯のアドレスと番号交換しませんか?」
エミちゃんが女同士のように気軽に言う

「あ・・うん・・良いよ」
私は不味いな・・と思いながらもエミちゃんの無邪気な眼差しに断りきれず、私は携帯を取り出して赤外線通信する
「先輩の携帯って黒なんですね」
私の携帯は男の時に兼用で使っている物なので当然エミちゃんのような可愛いシール沢山のピンクなどではない

まあ、元々化粧やお洒落は女の様にしても道具や小物は男としての癖なのかデザインより実用性重視な私だ。
エミちゃんは天然でおっとりしてるのに変な所には気がつく子だ

「ええ・・黒が好きなのよ変かしら?」
「いいえ先輩らしくてかっこいいと思います」
「ありがとう、エミちゃんの携帯は可愛いわね」
「うふふふ~」

ピンクの携帯を両手で握って嬉しそうに笑うエミちゃん
(くそぅ・・可愛いなぁ・・わざとやってんじゃないだろうなコイツ・・)
「○○~降り口右側になります」
放送が流れエミちゃんの降りるべき駅に停車する

「今日は本当にありがとうございました!後でメールしますね!」
「ええ、気をつけて帰ってね」
「はい!」

電車のドアが閉まってユックリ駅のホームが遠ざかっていく
エミちゃんはずっと私を見送るように手をふっていた。

私が家に帰りつくとさっそくエミちゃんから今日のお礼のメールが入っていた。
私が返事を送ると直ぐに返事がきた

どうやら大学に入学してまだ日が浅いため友達も中々できなくて寂しかったようだ
女子校に通っていたので元々男性が苦手で今日の事で余計に男性が怖くなったようだ

「このままではいけないと思って一人暮らしを始めたんですけど・・やっぱり難しいですね・・」
「まあ少しずつ出来ることからコツコツとやっていくことだね、困ったことがあったら相談に乗るよ」
「ありがとうございます!なんだかお姉ちゃんができたみたいです」
とそういうやり取りをしてその日は寝ました。

大変なのは次の日でした。
まず彼女が私を探したりすれば姓は知らなくても2年のユウと言う人間は多くありません

学部だってそう多くは無いからエミちゃんがその気になれば特定されるのは時間の問題に思えました。
私は暗い気持ちでした。
せっかく仲良く成れたのに私が女装趣味だと知れたら理解して貰えないかも知れないからです。

それ所か軽蔑されて大学に私の女装趣味がばれたらどうなるか、祈るような気持ちで一々のカリキュラムを終えました。

しかし天然なエミちゃんは全く調べたりしていませんでした
他の人に私の事を聞いたり話したりは一切していない様子で女の姿の私が本当に同じ大学の先輩だと思いこんでいました。

そうして私とエミちゃんは毎日の他愛ない事から悩み事勉強の事などいろいろな事を
メールや電話でやり取りしました。
ドンドン親しくなって休日には女装した私と2人で色々な場所に行くようになりました。

そのうちにお互いのアパートにも遊びに行くようになります。
私がエミちゃんの家に遊びに行く時は問題ないのですが、私の家には私が男である証拠がゴロゴロしています。

しかし
「先輩のお部屋がどんなのかみたいです」
と可愛い笑顔で言われたら断る事が出来ない私は苦肉の策で同じ年の双子の弟と一緒に暮らしているという苦しい嘘まで付いてしまいました。

だけど、男物の服を見たエミちゃんに彼氏がいると思われるのだけは嫌だったのです。
「先輩の弟さんだからきっとカッコいいんでしょうね」
「いや、そんな事無いよムサイだけだよははは・・」

「ベットで一緒に寝てるんですか?」
相変わらず変な所で鋭いエミちゃんですが本人がその着眼点の鋭さに全く自覚が無いから意味が無いのだけど
「はは何言ってるの弟は床に寝てるのよ男なんてそんなものよ」
(どんなもんだ)
と自分で自分の言ってる事に突っ込みを入れる私

「へぇ~男の人って凄いですねぇ」
とまったく疑っていない様子のエミちゃん

そんなこんなで約半年間私は何度か危ない所で上手く誤魔化し、時にはエミちゃんの天然に救われながら危ない橋を渡っていきました。

私は油断していました。
このままエミちゃんを騙しとおせると思い始めていました。
存在しないはずの先輩を演じきれると過信していました。
大学で全く見かけない先輩をエミちゃんがこのまま信じきってくれていると・・

「おい、ユウなんか○学部の子がお前に用事だってさ」
「おう」
大学の友人達と食堂でご飯を食べていた時でした。

友達が男の姿で食事をしている私を呼びにきたのです。
私は呼びに来た相手を全く予想していませんでした
極自然に「呼んだのは誰だろう?」とすら思っていました。

「なんか可愛い子だったぜ!」
歩き出した私の背中に友人が投げかけた言葉で私はじめて背筋が凍りました。
そしてソレと同時に食堂の入り口あたりに立って真っ直ぐ私を見つめる女の子が眼に入りました。

「あ・・」
驚いた表情で立ちすくむエミちゃんと完全に眼があって私は硬直しました。
賑やかな食堂の風景の中私とエミちゃん2人だけがシリアスな空気に包まれていました。
たった数秒ながらとても長く重苦しい時間でした。

「あ・・の・・ごめんなさい!!」
そういうとエミちゃんはあわてる様にして走り去って行きました。

(終わった・・・)

私は走り去る彼女を追いかける事すら出来ませんでした。
静かに友達の所へ戻ると荷物を鞄に放り込みます。

「おいどうしたユウ顔色悪いぞ」
心配する友達に帰るとだけ告げてその日はそのまま家に帰りました。

その後一日を過ごす元気が私には有りませんでした。
家に帰り布団を頭から被ると自然に涙があふれてきました。

ところが
その日の夕方エミちゃんからいつもの様にメールが届き中身を見ると仰天の内容が書かれていました

「今日はすみません!もう弟さんから聞いてるかもしれないけど、双子の弟さんって名前も同じなんですね間違えちゃった、先輩も教えておいて下さいよ~><;」
と書かれていました。

その文を読んだときの私の喜びようはお分かりでしょう
エミちゃんはその持ち前の天然を炸裂させていました。

恐らくエミちゃんは2年のユウ先輩と言う人を探している、と言うような聞き方しかしなかったのでしょう
聞かれた方は当然男の私を想像して、結果エミちゃんは男のユウの所へ来たというわけです。

そして男の姿の私の姿を見て、女のユウにそっくりな男の人が現れたと勘違いし、私が前に適当に嘘をついた双子の弟のユウだと思い込んだのです。

あとは男性恐怖症気味の彼女の事、突然予想外の男の登場に驚き走って逃げ去ったというわけです。

「弟驚いてたけど気にしてないって言ってたよ」
と私は嬉しくなって電話しました。

「本当ですか、よかったぁ~慌てたから凄く失礼な感じなってしまったので気になってたんです」
電話口のエミちゃんは全く疑いなく何時ものエミちゃんでした。

「可愛い子だったって弟に色々聞かれちゃったけどね」
私は安堵から調子に乗ってそんな事を口走りました。

「えっ・そうなんですか・・どうしよう・・」
その時のエミちゃんの態度が何時もと違いました。

「・・・もしかしてエミちゃん私の弟の事気になる?」
不思議な事にまるで好きな人が別の人を好きだという事を言った時の様に胸が締め付けられました

「えっ・・あの・・かっこいいと思います・・」
エミちゃんは恥ずかしそうにしながらも嬉しそうにそう私に言いました。

「そ、それに最初は驚いたけど・・その驚きはなんか何時ものとは違って」
「私・・男の人苦手じゃないですか・・でも先輩の弟さんだからかな・・なんか怖くなかったっていうか・・」
エミちゃんにしては珍しい早口でした。

本当に不思議でした・・私は男としての自分の存在に嫉妬していました。
エミちゃんは女としての私と一緒にいる時はリラックスして信頼してくれているのは伝わってきてもけっして女の私を恋愛対象としては見て居ない事は明白でした。

でも、男の私にはこうもあっさりと好意をしめしたのです。
「じ、じゃあ今度弟と会ってみる?」
この時の私はエミちゃんに対するサディステックな気持ちと、女の自分に対するマゾヒスト的な両方の気持ちにさいなまれていました。

「えっ?本当ですか?!あっ・・でもいきなり2人は・・」
「じゃあ私の携帯でメールとかしたり慣れたら話とかしてみたらどう?」

なんで弟のアドレスを教えないのかという細かい突っ込みはしてこないだろうという確信がありました。
むしろ女の私の携帯というクッションがあった方がエミちゃんは安心するとすら思いました。

「えっでも・・弟さんが嫌なんじゃ・・」
エミちゃんは舞い上がりつつも不安げに言います。

「大丈夫よ私は姉だから解るけど弟はエミちゃんみたいな女の子タイプだから」
「ほ、本当ですか・・やだ・・どうしよう・・」
「私も本当・・不思議で・・・弟さんと初めて会ったときからもうドキドキしてて・・」

どうやらエミちゃんは男の私に一目ぼれしたようだった
嬉しいはずなのになんだか素直に喜ぶ事ができない
エミちゃんの態度の違いに少なからず落胆してしまうのは男の自分がむしろ偽りの自分だからだろうかと思った。

その次の日から私の奇妙な二重生活が始まった・・
いや元々二重だったのだから3重と言うべきだろうか?
男としての自分、女としての自分にくわえて女のユウの弟ユウとしてエミちゃんとメールのやり取りを始めたのだ

なんというややこしい生活だろうか・・・ややこしい性癖を持つと生活までややこしくなる・・一体誰が本当の自分なのか・・

そんな苦悩を他所にエミちゃんと弟ユウはドンドン親密になっていく
最初は姉のユウの携帯を介していた二人もそれでは姉に悪いという話になって私はとうとう存在しない弟ユウの携帯電話まで別に契約したのだ

おわかりいただけるだろうか
この「私なにやってんだろう」感
とうとう2人は直接2人っきりで会ってデートを始めた。

男のユウとしてエミちゃんとデートするのは確かに楽しい
手をつなぎ男として彼女をエスコートする

根が天然で素直なエミちゃんの好意が日に日に増していく事は別に姉のユウになってエミちゃんに直接聞かなくても伝わってくるが、女のユウとして会っている時のエミちゃんの話は半分以上が男のユウの話ばかりになっていた。

それは嬉しい反面拷問だった。
自分自身に嫉妬するという拷問
嬉しそうに恥ずかしそうに募る思いを私に語り、謎めいた男の行動について日々悩み考え女の先輩としての私に質問してくる

考えてみるとエミちゃんの恋が順調なのは当たり前なのだ
彼女の恋愛にアドバイスしているのは彼氏の姉どころか他ならぬ当の本人なのだから

「先輩のアドバイス通り肉じゃが作ってあげたらユウ君凄く喜んでくれました!」
「そう、よかったわね・・・」
(あれは確かに美味しかったわね)
「流石お姉さんですね!」
(姉っていうか本人だけどね)

彼女の弟のユウに向けられる甘い視線ではなくキラキラとした尊敬の眼差しすら悲しく思える
「それで肉じゃが食べた後ファーストキスしたわけね・・」
男の私はエミちゃんの家で肉じゃがをご馳走になった後お礼に、とか何とか言って彼女に強引にキスしたのだった。

「はい・・えへへ・・」
その後男の私を家から送り出したエミちゃんは女装して再び訪れた私に情けないくらい真赤になってヘロヘロに報告してきたのだった。

「あっそうだ!先輩の分もご飯炊いたんです!肉じゃが先輩も好きなんですよね?」
「あっ・・いやそうね・・でも今はおなかいっぱいだから私の分は貰って帰るわ」
携帯と違って弟ユウと姉ユウ2人分の肉じゃがと白ご飯を食べる胃袋は用意できない

「そうですかじゃあ今タッパに入れますね」
無邪気に笑い台所へ行くエミちゃん
その隙に弟の方の携帯からエミちゃんに今日のお礼をメールする

すると台所のエミちゃんの携帯が着メロを鳴らし始める
(おうおうラブソングですか・・熱いねぇ・・)
この妙な嫉妬心とも慣れっこに成っていた

エミちゃんがタッパに入れた肉じゃがを持って戻ってくる
「はい、先輩これです」
「ありがとう、美味しそうね」

エミちゃんはテーブルの反対に座ると携帯を取り出して嬉しそうに返事を書き始める
エミちゃんはメールを打つのが遅いが一生懸命にメール打つ姿がとても可愛い

その姿を見たくて姉のユウのときは弟のユウから、弟のユウのときは姉のユウからメールを送り反応を見ている

「弟から?」
私が聞くと
「はい、今何してるの?って」
さっき会ったばかりなんだから何してるの?も無いと思うがそれでも嬉しそうに顔を赤くして笑う

私の携帯は当然両方とも音も振動もしないようにしているのでエミちゃんに何時どんな時メールや電話をかけられても問題ない

「あ、そうだ!」
エミちゃんが両手をパチンと合わせて何か思いついたように言う
「どうしたの?」
「今度のクリスマスにユウ君と先輩と3人でお食事会しませんか?」
キラキラ子供のような瞳で嬉しそうにエミちゃんが言う

「・・・・・・・・・・・」
「きっと楽しいですよ」
嬉しそうに体を左右に動かすこういう幼い仕草も恋人としてなら可愛い

「・・・・・・・弟は貴方と2人っきりが良いんじゃない?」
「えっ・・でも・・」
エミちゃんが恥ずかしそうに肩をすくめる

「大丈夫よ弟は遊んでるって噂されてるけどあれで女関係は真面目だから」
「貴方が嫌がる事を無理やりしたりしないわよ、そういう奴だから貴方も安心して紹介したんだから」

「でも・・先輩は・・」
優しいエミちゃんは私が一人っきりになる事を心配しているのだろう

「もうこの子ったら余計な心配して」
「私は私でクリスマス予定あるから良いのよ、せっかくのクリスマス2人で楽しみなさい」
「第一そんなことしたら私が弟に恨まれちゃうわよ」
私はエミちゃんのふっくら可愛いホッペを優しく抓る

「えへへ・・」
女の私がエミちゃんを優しく叱る時の癖になっていた
ふっくらして可愛いエミちゃんの頬っぺたはとてもさわり心地が良い頬っぺただ
つい側で見ていると触りたくなる
不思議と男の時はしない癖だ

まあ、当たり前かもしれない・・男の私は作りこまれた架空の存在でしかないから
それに今や弟のユウと言う存在は女の時にエミちゃんから聞き出したエミちゃんの理想の男性を演じ始めている
オリジナルの男のユウとは微妙に違う存在になりつつあるのだ

「私に気兼ねしないで大好きな人と楽しみなさい、いいわね」
「はい」

クリスマスイヴ、女の私は朝から用事で出かけたという設定になった。
その日一日はお互いメールも電話も無しと予めエミちゃんと約束した。

何処へ行くのかは言わなかった、それ以上の嘘は嫌だったから
「ユウ君!」
駅前で待ち合わせして出かける

この日のための男物の服もしっかり準備してきた
エミちゃんの服はこの日のために女の私と一緒に男のユウのために揃えた服だ

「どう?」
「凄く良いよ俺の好みばっちりだ」
可愛くくるっと回ってみせるエミちゃんに男のユウで答える

「ふふ先輩にアドバイスしてもらったんだぁ」
冷静に考えれば姉が弟の服装の好みまで細かく理解しているのは変だと思うが、エミちゃんは姉のユウを心の底から信頼して尊敬しているようだった。

「じゃあ行こうか」
2人腕を組んでイヴの街を歩く
「うふふ」
エミちゃんが嬉しそうに笑う

「どうしたの?」
「うん、だってなんか先輩と一緒に歩いてるみたいなんだもん」
「・・・・・・・・・きょ、兄妹だからな」
「いやって事じゃないんだよ、でもなんか不思議な感じ」
不思議だねって笑うエミちゃんの顔をみて良心がズキッと痛むのを感じる

僕が黙っていればこのまま普通の男女のカップルとして幸せにやっていけるかもしれない
そんな事を考える・・でも姉の存在を何時まで維持できるだろうか?
答えは出てる・・こんな生活長くは続けられない・・
親密になればなるほど嘘は何時かばれる

そしてその時一番傷つくのはエミちゃんじゃないだろうか・・
私は自分のために彼女を騙している・・

「ねえ、どうしたの?」
エミちゃんが暗く曇った私の表情に気がついて覗き込んでくる
「あっごめん聞いてなかった何?」
「ユウ君なにか悩み事があるの?」
エミちゃんが何時にもなくシリアスな表情で聞いてくる

「いや、そんな事無いよ?」
「先・・お姉さんのこと?」
エミちゃんから意外な一言がでた

「えっどういう事?」
ドキドキしながら聞く
「だって・・今のユウ君・・先輩と同じ顔してた・・」
エミちゃんが悲しそうな顔になる

「いや、だから意味解らないって」
「先輩ね・・何か辛い事を隠してると思うんだ・・」
エミちゃんは暫く悩んだ後話し始めた。

「私が頼りないから話してくれないのは仕方ないけど・・時々凄く辛そうなの」
「私の話凄く真剣に聞いてくれて力になってくれるけど・・・とても悲しそう・・・」
「今のユウ君の眼はそのときの先輩と同じ顔だった・・」

エミちゃんはそういうと真っ直ぐ私の眼を覗き込んできた。
(やめて・・そんな眼で私を見ないで・・気がつかないで・・)

「ば、ばかだな本当気のせいだって」
私は勤めて隠すように明るく振舞おうとした
「本当に?」
「ほんとうだよ、なんていうかこんなの楽しくて良いのかなってちょっと不安になっただけだって!」
「そうかな・・」
エミちゃんはまだ納得していない様子だった。

「本当だって姉ちゃんは姉ちゃんで色々考える事もあるかもしれないけどさ」
「あの姉ちゃんが人に言わないって事は自分で何とか出きるって事だからさ」
「エミちゃんはいつもの様に笑って元気つけてやればいいんだよ、ね?」
真剣な表情のエミちゃんの肩に手を置いて言う

その時の私は必死だった・・エミちゃんを落ち着かせようと笑わせようと・・
「大丈夫だって・・・ほら笑って・・エミちゃんは笑顔が一番だよ・・」
私の手が自然に肩から彼女の柔らかい頬にいき優しくつねる

何時もの癖・・・エミちゃんの尊敬する姉の癖 エミちゃんの大好きな先輩の癖・・
「えへへ・・」
そうするとやっとエミちゃんが笑顔を見せてくれた・・・のは本当に一瞬だった

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

とても柔らかい表情で笑おうとしたエミちゃんの瞳が大きく見開く
そして私を恐る恐る見上げたのだ・・まるで信じられない者を見たような、それまでその人だと思っていた人が全く違う人だったと気がついたような、そんな凍りつくような驚きの表情だった。

「うそ・・・」
見開いたエミちゃんの瞳には彼女が全てに気がついたという事がありありと映っていた。
彼女の頬に手を置いたまま私は硬直していた・・

「・・・・・・・・・・うそ・・・」
「うそだ!!!!ああああ!!!」
「エミちゃん!!落ち着いて!!!」

突然暴れだすエミちゃんを必死で抱きとめる
周りの通行人達が何事だと好機の眼で私達2人を見る

「うそだあああ!!」
「エミちゃん!!」

泣き出すエミちゃん・・あまりの発狂振りに警察まで来る始末だった。
警察の人にはちょっとした喧嘩だとかなんとか説明して必死に彼女をなだめるが、警察の人がエミちゃんに質問してもショックの余り彼女は口をきかない

これでは流石に心配だという事になって結局エミちゃんの親が呼ばれるはめになった。
無理も無い・・その時のエミちゃんは誰がどうみても壊れた人の様に見えたから・・

こうして私とエミちゃんのイヴのデートは終わった。
エミちゃんは迎えに来たお母さんに連れられて実家に帰って行った。
彼女は最後まで私の方を見なかった。

翌日から姉のユウが帰って来る日を過ぎても
どちらの携帯にもエミちゃんからメールが来る事は無かった。

何もかもを失った気分だった・・
何もかも悔やんでももう元には戻らないのだと
何度も何度も同じ事を考えて考えて
そしてまた考えた

2日も部屋に篭ってならない携帯を見つめて過ごした
いつの間にか疲れて眠り・・携帯が鳴ったという夢で飛び起きた事もあった

3日目何時までも返ってこない私を心配して母親がアパートを訪ねてきた
ボロボロだったが笑顔を取り繕った。

父も親戚も帰りを待っていると・・従姉妹たちや親戚の女の子達が帰りを待っているよと
「お母さんちょっと準備するから外で待ってて」
「解ったわ」

私は母を外に待たせて化粧道具を取り出しずっと隠し続けようと思っていた本当の姿を母に見せる決心をした。
母だけではない・・もう偽りの男としての自分は捨てようと思った。

もう嘘は嫌だった。
「お待たせ」
「貴方・・」
扉を開けて見せた息子の姿に母は意外なほどに驚きを見せなかった。

なかなか実家に帰ってこない息子のコレが真実だと悟ったかのようだった
最近ではそういう人がTVで活躍している、昔の親より随分理解が早かったのかもしれない

随分長い間女の姿の私と見つめあった後、母は私の手をとってポツリと言った。
「ごめんね・・解ってあげられなくて・・」
私と母はその場で抱き合って静かに泣いた。

その後が大変だった、お兄ちゃんが帰って来ると思い込んでいた従姉妹や親戚の女の子達はお姉ちゃんが帰って来て仰天した。

親戚一同 とうぜん父親も驚いた・・というか思い切りぶん殴られた。
案の定大晦日に家を追い出された。
母が追いかけてきてくれて従姉妹の家に泊めてくれた。

従姉妹の女の子達とは小さい頃から一緒に飯事したり遊んだ仲で、一番上の女の子とは初恋の仲だった。
「そっか・・やっぱりユウちゃんってそうだったんだね・・」
長年の付き合いだったからだろうか・・一度は肌を合わせたからだろうか、彼女は私の事を少なからずそうかもしれないと思った事があったようだった。

「でも女なのに女の子好きだなんてちょっと想像の斜め上だったわ」
「って事は私達レズだったって事なの?変なの」
と冗談交じりに笑ってくれたのがむしろ楽だった。

そのまま正月は従姉妹の内で過ごした。
従姉妹達は私を女として扱ってくれた
せっかくだからと従姉妹の服を着たり私が持ってきた服を交換したりして遊んだ

「っていうか私よりウエスト細いしなにその綺麗な足・・」
「私胸以外勝てるとこ無いじゃん・・腹立つわ・・アンタ本当に女で生まれてたら絶対嫌いになってたわ」
「っていうか元々女顔だったからメイク無しでも女物の服きてると女にしか見えないわ」
散々言いたい放題だったけど最後は何でも力になるからねと励ましてくれた。

年が明けて直ぐ私は大学へ説明しに行った。
少々複雑な事情だったが幸い大学には性同一性障害の学生も居ないわけではないので相当驚かれたが完全に女の姿で説明する私の事も比較的すんなり理解して貰えた。

学友の連中も皆驚いていた特に男共は驚いていた。
見慣れない女が一緒に講義を受けているので
「君誰?」とナンパしてきた奴まで居たが
「ユウだよ解るだろ」と思い切り男の声で答えたら腰を抜かしていた

暫くはちょっとした珍獣扱いだったが気にしない事にした。
女性の友達はむしろ好意的で支えてくれた。
「やっぱりね」と言う女の子も居た。

そして私が一番会わないといけない人からメールが来た。
メールがきたのは姉の方の携帯
弟のユウの携帯は年の初めに解約していたから当然だろう

大学の帰りの喫茶店で待ち合わせると彼女はもう来ていた。
喫茶店には他に客は居なくて元ラガーマンだったという髭のマスターが丁寧にコーヒーの準備をしているところだった。

この喫茶店にはエミちゃんと2人で男の時も女の時も来たことがある
マスターと眼が合う・・長い人生様々な人を見てきたからだろうか
恐らくマスターは私が男でも女の姿でもここへ来ていることを知っていたきがする
その証拠にいまさり気なく私が毎日注文するコーヒーのオーダーのカップを手にとって暖め始めている

「ごめん待たせたかな?」
その時の私は勤めて女であるユウという本来の自分であろうと少し形式ばって居たかもしれない
何時もより意識して女らしく椅子に座った。

エミちゃんはソレを黙ってみていた。
「メールくれて嬉しかった、どんな風になってもあのままで終わりなんて出来なかったから」
「ユウ君の携帯は解約しちゃったんですね・・」
恐らく最初にエミちゃんがメールしたのは男のユウの携帯だったのだろう

「ええ、ユウ君なんて男の子は最初から居なかったから・・・」
「どうして?私を騙したんですか?」
エミちゃんの声が震える

「・・・・・・確かに私は貴方に嘘をついた・・騙していた・・本当にごめんなさい・・」
「でもソレは言い出せなかったから・・・本当は何度も言おうとしたのだけど・・怖かった」
「本当の自分を貴方に見せて貴方に嫌われることが・・」
「それでいつの間にか嘘をつき続けてた・・貴方を好きだったの・・それだけは本当よ・・」

「ショックでした・・」
エミちゃんが言う
「そうね・・当たり前だね・・」
「ユウ君のことも先輩の事も大好きでした・・・信じてたんです・・」
「うん・・知ってる・・・」

エミちゃんにしてみれば大好きな彼氏と尊敬する先輩を同時に失ったのだ
それは私より遥かに痛い事だと思えた。

「それが先輩の本当の姿なんですか?」
「ええ・・ちょっと複雑なんだけどね・・」
「精神的には女なんだけどね・・それでも同じ女の人が好きなの」
「いつかは完全に女性になるつもりなんですか?」

「いいえ、そのつもりは無いと思うわ・・色々体に負担も掛かるし」
「今のままでも自分にはそれなりに満足しているの・・」
「それに形に拘っても全て思い通りにはならないでしょ?大事なのは心だから・・」
「心?」
エミちゃんが顔を上げる

「信じられなくて当然だけど・・私の貴方への気持ちだけに嘘はなかったわ・・」
「男の時も女の時も一番に貴方の事だけを考えて生きてた・・」
「だから今はもう後悔してないわ」
「・・・・・・・・・・」

「それに考えようによってはレズビアンなのに子供作れるのよ?そういう風に考えると体が男のままって言うのも有る意味レズビアンにとって夢じゃない?」
「世の中男になりたいって言う人も居るくらいなんだから、この体は体としてありがたく大事にするわよ」
「もっとも綺麗に着飾るのはやめる気無いけどね、楽しいし」

「いらっしゃいませ」
誰も居なかった喫茶店に客が一人はいってきてマスターが挨拶する声が響く
「・・・・・・・・・・」
そこから暫く私達は黙って見詰め合っていた。

エミちゃんは私の心の中を見ようとするように真っ直ぐと見つめていた。
私も全てをさらけ出すように真っ直ぐ見つめ返した。

「私が・・」
エミちゃん
「え?」
「私が先輩の気持ちを受け入れたら・・先輩は2人分愛してくれる事は可能ですか?」
「どういうこと?」

とても意外な事だった・・私は此処にフラレに来たのだから
「今は正直先輩のそういうのは・・私にはわかりません・・でもやっぱり先輩は好きです・・」
「それとユウ君のことも・・・忘れられなくて・・」

多分エミちゃんにしたら初恋の相手である男のユウの事の方がこの時点では大事なんだとわかった。

「直ぐには全部受け入れられないけど・・・先輩がそれでも良いなら・・私・・」
多分この時点で彼女にとってはコレが精一杯の結論だったのだと思う
むしろ十分すぎるほどこの私に歩み寄ってくれたのだと思いたい

「ええ、それでも良いわ、貴方が今の私を知って・・たとえ100%理解できなかったとしても、理解しようとしてくれてるだけで十分よ」
「私だって我侭を言ってるし・・貴方が私の男としての部分も求めるなら私はそれに答えられるわ」
「でも良いの?私と歩く道はそれでも楽な事じゃないかもしれないわよ?」

世間からの好奇の目・差別あらぬ噂・・色々あるだろう
私達には沢山の障害がある

「・・・・・・・解りません・・でも今は自分の心に従おうと思います・・」
私はエミちゃんの手を握る、彼女は弱々しくだが確かに握り返してくれた

「ありがとう・・」

私達がこのままずっと幸せな関係で続く確証は何処にも無いけど、この世に絶対なんてものはそもそも無いのだと思うし、だから彼女の答えは誠実だと思う
後はお互いが素晴らしいと思う未来を信じてやっていくしかない

「お待たせしました・・」
そこへ髭のマスターが二つコーヒーを置く
「あの・・注文して無いんですけど・・」
そう言えば注文しようとしてすっかり忘れていた・・

「コレはサービスですお気に召したら2杯目から御代を頂きます。」
大柄のマスターが優しくそう言ってカウンターに戻っていく

「先輩が好きです」
「私も貴方が好き」

その日が私達の本当の始まりの日だったと思う
それから後の事はそんなに語る事は多くない
彼女の両親に会う時だけは男の姿で会うようにはしている

エミとは結婚も考えている、別にどっちか一方しか生きかたが無いわけじゃないから
今では性別そのものがどっちかという事も考えていない

「男か女かっていうよりユウはユウだから」
エミもそう言ってくれるし私もそう思う  

終わり

コメント (3)
コメント一覧
  • 1.   

    とってもほっこりしました!

  • 2.   

    とってもほっこりしました!いい話をありがとうございます!

  • 3.   

    とってもいい話でほっこりしました。

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