2017年02月22日 00:00

オタサーの姫の正体がとんでもなかった…(体験談)

読了時間:約 5

カノ子とは大学で知り合った。
カノ子はむさくるしい理系に咲いた一輪の花のような趣でロング黒髪色白ノーメイクという俺たちクソ童貞の理想を具現化したような女性だった。

同じ学部でとってる授業も同じのが多くサークルも同じだった俺はじりじりと仲良くなることに成功し、1年の終わりごろカノ子と付き合うことができるようになった。


ちなみにカノ子以外にも女子はちらほらいたんだが、たいていの女子にカノ子は嫌われてるというか敬遠されてるようだった。

理由は
「すぐ泣く」
「天然すぎてついていけない」
「なんかウザイ」
という漠然としたものが多く、当時の俺は「ブスの嫉妬乙」としか思っていなかった。

確かにカノ子は天然といえば天然だった。
たとえばデート中、蟻の列を見つけると
「巣に運んでるのかなー、ガンバレッ、ガンバレッ、ファーイト!」
と立ち止まってエールを送りだす。

蟻の先頭が無事巣にたどりつくと
「えらいぞ。蟻さんってえらい…私もがんばらなくっちゃって思わされた」
と涙ぐむ。

俺としてはそういうノリがちょっと恥ずかしくなるときもあったんだが繊細で心のきれいないい子なんだなぁーと思っていた。

つきあって3,4カ月くらいして彼女が
「アパートを追い出された、行くことがない」
と言って泣きながら俺んちにやってきた。

ノラ猫に餌をやってたら近所から大家に苦情が来て
「今度やったら退去してもらう」と勧告受けてたのに隠れてこっそり餌やってたのがばれて退去になったらしい。

その日から俺とカノ子の同棲生活がはじまった。
カノ子は料理がうまくきれい好きで、俺の生活はみちがえるように改善ししばらくは幸福絶好調だった。
初セックスもした。

しばらくして、カノ子が俺んちにやたら近所の子供を引き入れるようになった。
近所じゃ有名なしつけのなってないお子様で、母親はたぶんお水。父親はいないらしい。

家に入れたが最後、冷蔵庫も引き出しも勝手にあける、TVのリモコン抱え込んで独占して離さない、トイレを貸したら必ず汚す。

家具の上から「グワー!」と叫びながら飛び降りてきて床に傷をつける、俺のPCを揺さぶってから投げるなど、もう破壊の王といった感じ。

俺は「連れてくるな!」と言うが彼女は
「お母さんが寝てる間、外にしめだされて可哀想」と泣く。

俺が「俺だってバイトや学校で疲れてるし家ではくつろいで寝たい。俺は可哀想じゃないのか」
と言うともっと泣く。

実際カノ子の生活費が増えたことで、バイトしても金にも時間にも余裕がなくてカツカツだった。

ガキと顔を合わせるのがいやで、俺はそのうち家に帰らなくなった。

バイト先の休憩室や部室で寝るようになり、たまに戻るとどこの誰とも知らんガキがさらに増えてたり、携帯に大家から苦情の電話が入ってたりして(ここでもカノ子はノラ猫の餌付けをやってたらしい。あと騒音の苦情)足は遠のく一方だった。

カノ子には何度も何度も
「知らない子供を家に入れるな、猫に餌をやらないでくれ」
と言ったがカノ子は「冷たい」と言ってメソメソ泣くばかり。

根負けして出て行くのはいつも俺で、でも家賃や生活費を稼いでるのも俺で(仕送りもあったが)
だんだん「何やってんだろ俺……」という気分になりつつあった。

カノ子はほかの部員に
「俺が家に帰ってこない、浮気でもしてるんじゃないだろうか」
と相談したようだった。

男の部員は当然みんなカノ子の味方。
「あんないい子と付き合えてなにが不満なんだ」「帰ってやれ」「毎日泣いてるぞ、ひどいやつだな」
と輪になって責められた。

女の部員も多少いたが、彼女らはカノ子にはわれ関せずだから、俺のことも当然関せず。
遠巻きにしらっと見てるだけ。

あとなぜか俺は浪費家ということになっていて、カノ子がいくらやくりくりしても生活費が足らないので泣いているということだった。

いや金は俺じゃなくて、菓子やジュースを貪りまくる食べざかりのクソガキと、何十匹ものノラ猫に費やされてるんだが…。

しかし一種の洗脳状態にあったらしい当時の俺はおとなしくアパートに帰った。
もはやジャングルと化した部屋のあり様にしばし耐えたが、泣く彼女を置いてまた逃げ出し、寝場所を転々と探しながらバイト代をせっせと口座に入金していた。

俺の口座には親の仕送りとバイト代が毎月振り込まれており、カードは彼女に渡していたからカノ子が使いたい放題だった。

でもその当時の俺は何がおかしいとも思っていなかった。
何か言うとカノ子は泣くし、泣かれると罪悪感で何も言えなくなった。

そんな俺でもさすがに目が覚める日がやってきた。
洗濯物の量が限界になり、コインランドリーに行くにも小銭がなく、ガキどもが学校行ってる時間をみはからって帰った。

そしたら玄関にきったねー男もののスニーカーがあって、奥からギシギシアンアンが聞こえてきた。

なんでかわかんないけどそのときはすごく冷静で、
「あ、携帯携帯」って感じで携帯出して、ムービー撮りながらトコトコ歩いて入った。

浮気相手は同い年の部員だった。
俺が入っていってもしばらく気付かずにバックでパンパンやってたからじっくり撮って、カノ子が振り向いて「あ゙!!!」って顔したとこまで撮った。

他人の勃起したぬらぬらチンポってやっぱあんま見たくねーもんだなー、と思った。

カノ子が「違うの違うのこれは違うの聞いて」
って言ってるうちにカノ子のバッグから財布出して、財布からカード回収した。

間男部員は「すまん…でもおまえが悪いんだぜ、カノ子を悲しませるから」
とニヒルなキメ顔をしていた。

俺は「うん、俺が悪い。俺じゃカノ子を幸せにしてあげられないみたいだとわかったからおまえあとは頼むわ」
と言ってその場をあとにした。
洗濯物はどうしたんだか覚えてない。

その後カノ子から
「一度だけでいいから、と何度も頼まれ、可哀想になってやらせてしまった」
という言い訳メールが届いた。

俺はアパートを引き払いたいと大家に連絡し、カノ子にも「×月×日までに退去するように」とメールした。

部に顔を出したらまた輪になって責められまくったから
「俺がぜんぶ悪いです」「俺じゃカノ子を幸福にしてやれないことがわかったから間男部員にまかす」
と間男を名指しでみんなの前で指名した。

間男は「やった!」という晴れ晴れとした顔をしてたがカノ子はぶすっとしてた。
思えば泣かずにただぶすっとしたカノ子の顔を見たのはあれがはじめてだった。
間男の手前泣くわけにいかなかったんだろうね。

そのあともしばらく俺は定住所を決めずあちこちで寝泊まりしてたんだがカノ子の彼氏が部内で4人目になったという噂を聞いてやっとアパート住まいに戻った。

しばらくはカノ子が来るんじゃないかとびくびくしてたが、もう俺はターゲットからはずれたらしくその後は平穏だった。

サークルは籍だけ置いてまったく行ってなかったんだが、卒業間際に行ったらカノ子はとっくにやめてていつの間にかカノ子の評判もさんざんになってた。

カノ子にタゲられ真っ最中でノイローゼみたいになってるやつもいたから、
「何かに使えるようなら」とムービーで撮ったカノ子のバックでパンパン動画を送ってやった。

俺のは消した。

卒業してカノ子のことは遠い話になったけど、いったん悪者になってでもあのとき逃げておいてよかったと思う。

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