「小次郎君・・・今まで我が社の為に頑張ってくれてありがとう」
「(゜д゜)ハァ?」
3年前の夏の日、俺の会社が倒産した。
俺が28歳の誕生日を迎えて間もない時期だった。
新卒で勤め始めてからその日まで転職した事がなかった俺は、突然訪れたプータローの日々に現実感が沸かず、何故かワクワクしていた。
今考えればアホだ。
1週間程、何にもしないで自由を楽しんだ。
仕事なんてスグに決まるだろうという軽い気持ちと、訳の分からない開放感から、毎日オナニーをした。
しかし、現実というものは遥かに厳しかった。
プータローになって2週間目にして初めて足を運んだ職業安定所は失業者が溢れ返っていた。
ようやく自分の置かれた立場を理解した俺は、毎日職安に通うようになった。
不思議なもので、毎日職安に通ってるとプー同士でも友達が出来る。
まぁ、余り嬉しい事ではないが。
その友達の中に、ちょっと気になってる奴がいた。
麗香という以前水商売をしていた女だった。